2015年4月 6日

口腔がん検診の種類

検査方法は、視診・触診、病理検査、画像診断の3つです。

視診・触診
口腔がんは、目で見て触れることができる部分に発症します。視診では、粘膜が白くなったり赤味を帯びたりしているところや潰瘍がないかを、触診では、指で触れてしこりや盛り上がっているところがないかなどを詳しく調べます。口腔がんの場合、首のリンパ節への転移の可能性があるため、頸部の触診も行います。

病理検査
1.細胞診
視診・触診を行った結果、がんが疑われる部位の表面組織を綿棒でこすり取り、顕微鏡でがん細胞であるかどうかを調べ、がん細胞の種類、悪性度などの判定を行います。

2.組織診(生検)
より診断を確実にするために、麻酔をして異常がみられる部位を小さく切り取り、病理検査を行う(生検)場合もあります。

画像診断
●超音波検査(エコー検査)
プローブという装置を直接患部の表面に当て、超音波を体内の臓器に向けて発射し、反射してきた超音波を検出して映像化します。産婦人科で胎児の様子を診るときなどに使用しているものと同様です。口腔がんの検査では、頸部リンパ節の大きさや内部の状態、リンパ節への転移がないかを検査します。舌がんや頬粘膜がんが疑われる場合は、小型のプローブでがん病変の大きさや深さを調べます。

●X線撮影
歯科用の口内法撮影とパノラマX線撮影を行います。口内法はフィルムを口の中に入れ、一部の歯と歯周組織を撮影するのに対し、パノラマX線撮影は全体を撮影するもので、歯肉がんが骨に浸潤していないか、転移がないかを調べることができます。

●CT検査
X線を照射し、体内の断層像を3次元で確認することができます。口腔がんの検査では、コーンビーム方式という撮影法で、座った姿勢で照射ができるデンタルCTが多く用いられます。腫瘍の位置や大きさの確認、がんである場合はどのような治療法がよいか判断するときに役立ちます。

●MRI検査
体に電磁波をあて、電子が共鳴して放出したエネルギーをコンピューターで処理し、画像化します。骨や歯以外の軟組織の状態を細かく診断。口腔がんの検査では、腫瘍の大きさ、腫瘍と歯やあご骨との位置関係などを確認でき、がんの診断のほか、治療法を選択する際に使用します。

●アイソトープ検査
ごく微量のアイソトープ(放射性同位元素)を静脈内に注入し、がんが骨に浸潤しているかどうかを調べます。アイソトープは炎症やがんの転移などで骨の再生が活発になっている部分に集積する特性があり、これを利用して骨に口腔がんが転移していないかを調べることができます。

連携している大学・教授の紹介(ドクターの声)

大学病院との連携で口腔がん検診の信頼性を上げる

あなたは大丈夫?口腔内安全チェック

口腔がんは、文字どおりお口の中にできるがんです。ほかのがんと違い、自分の目で確かめることができるので、極めて早い段階で発見できる可能性があります。定期的に、お口の隅から隅まで気になる症状がないかチェックしましょう。一般的に、毎月一度と言われていますが、曜日を決めて週に一度行えば、なお効果的です。


口腔内安全チェックの手順
大きな鏡を明るい場所に置きます。十分な明るさであれば、洗面所でも構いません。見えにくい上顎、歯ぐきと頬の間などもしっかりチェックするために、デンタルミラーを使用しましょう。口腔内はデリケートですから、優しく行うようにしてください。
※入れ歯をしている場合は外してください。

検査.jpg

手順1.上下の唇の表面、内側をチェックします。

手順2.頬をデンタルミラーや指で横に引っ張り、気になる箇所が無ないかチェックします。

手順3.歯ぐきの状態をチェックします。見落としがないように、上下の歯ぐきを左から右、右から左へと細かく見ていきましょう。

手順4.上顎はデンタルミラーで前歯の方から奥へ、次は奥から前歯の方へ向かって、細かく横に動かしながらチェックすると見落としがありません。

手順5.舌の表面、側面、裏側、口腔底(舌の下)をチェックします。このとき、ガーゼやティッシュなどを使用して指で舌を動かすようにするとスムーズに行えます。
※舌で触れて違和感(しこりやブツブツしたものがあるなど)を覚える部分も、目で見て確認しましょう。

口腔内チェックを行ったときに次のような症状や状態が1つでもあれば、歯科医院で詳しい検査を受けてください。

□ 粘膜が赤や白に変色しているところがある
□ なかなか治らない口内炎がある、もしくは口内炎が何度もできている
□ 腫れていたり、潰瘍やただれを起こしたりしている
□ しこりのようなものがある
□ 詰め物や被せ物、虫歯がある箇所に傷や口内炎のようなものがある
□ 入れ歯が当たって傷になっているところがある

舌がんの切除手術

早期
がんが小さめで浅い場合は、舌の一部分のみ切除します。局所麻酔を行い、日帰りで済む場合がありますが、奥にできたときは全身麻酔での手術となります。術後数日は舌が腫れたり痛みを感じたりしますが、回復すれば、飲食や発声もこれまでどおりスムーズに行えます。

中期
がんが舌の中央辺りまで根を広げている場合、がんがある側の舌を半分切除してがんを取り除きます。欠損部は患者さんの皮膚を移植するなどして再建が可能です。術後1~2週間は口から食事を摂ることができないため、鼻からの流動食や点滴で栄養補給を行います。飲み込みにくい、発声しにくいなどの機能障害が残りますが、日常生活にほとんど支障はきたしません。

大幅切除
がんが舌の半分以上に広がってしまった場合は、舌の大部分を切除せざるを得ないケースがほとんどです。切除後の欠損部は皮膚移植などで再建することで、術前と比較し70%~80%程度の機能回復は見込めるでしょう。術後、縫合部が安定するまでは鼻からの流動食と点滴で栄養を補給します。その後、飲み込むためのリハビリを行いますが、流動食が摂れるようになるまで1~2か月以上かかる場合がほとんどです。術後しばらくは思うように舌が動かないため、綺麗な発音をすることが難しくコミュニケーションに苦労しますがリハビリを経て回復します。

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決して100%ではない口腔がん検診

口腔がん検診で異常なしだったからといって、油断は禁物です。「口内炎」「入れ歯が当たってできた傷が大きくなって潰瘍になったもの」などと診断されたものの、違和感が続いたり口内炎が治らなかったりといった状態が続き、改めて口腔外科を受診したところ、かなり口腔がんが進んでおり、手遅れになってしまったというケースも報告されています。

「異常なし」と診断されても「おかしいな」と感じたら、積極的にセカンドオピニオンを受けてください。それが、あなたの大切な命綱となる可能性があります。

※セカンドオピニオン
「第二の意見」という意味で、ある医師から下された診断や治療方針について、別の医師に意見を求めることを言います。

2015年4月 1日

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