2015年6月12日

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)での観察像

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)から照射された青色光は、本機を通して観察すると緑色にみえます。
健常細胞は青緑色にみえ、細胞の異形性を伴う部分は暗色にみえます。
健常細胞は青色の照射光を反射し、光の消失がないことからFVR(Fluorescence Visualization Retention)とよばれ、異形性細胞は青色の照射光を吸収してしまい、光が消失することからFVL(Fluorescence Visualization Loss)とよばれます。
⇒詳しくはこちら

・正常像
・白板症
・口腔がん・ベルスコープが有用だった症例
・扁平苔癬
・アフタ性口内炎
・血管腫(血腫含む)
・外傷による炎症
・特徴のある観察像


症例提供:東京歯科大学様

正常像

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白板症(上皮異形性を伴わない症例)

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口腔がん

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扁平上皮がん

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口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)が有用だった症例

有用症例.jpg

扁平苔癬

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アフタ性口内炎

アフタ性口内炎
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血管腫(血腫含む)

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血腫を口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)で観察すると、FVLとして観察できます。
これは血液中のヘモグロビンの作用により、青色の照射光の散乱が起こり反射しないためFVLとなります。

外傷による炎症

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外傷による炎症の場合、外傷によりコラーゲン架橋構造が破壊されることに加え、出血を伴うことでヘモグロビンの作用によりFVLが確認されます。

特徴のある観察像

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舌背などのポリフィリンが豊富に存在する部分は症例の様にオレンジ色の蛍光発光をします。もし視診時に異常を認め、患部にオレンジ色の蛍光発光が起こり判別が困難な場合は、口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)での観察と合わせて細胞診等を実施してください。

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)による観察像の次へのページ

2015年6月10日

レッド&ホワイトリボン

乳がん検診の早期受診を啓発するシンボルとして「ピンクリボン」というものがあります。近年ではこのピンクリボンに協賛する大手企業が増えてきているので、一度は目にしたことや耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

口腔がん撲滅運動を実施している団体ではレッド&ホワイトリボンを掲げています。

これは口腔がんに対する正しい知識を世に浸透させ、口腔がんの早期発見と検診の受診を促進させる目的として米国でも広まっているシンボルです。
東京都玉川歯科医師会を中心に、口腔がんの撲滅運動に賛同する歯科医院やドクターがこの赤と白のリボンを掲げています。

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なぜ赤色と白色なのか
口腔がんと判別するうえでひとつの目印となるのが炎症です。そのなかでも白い部分と赤い部分が混在する炎症は特に注意が必要とされ、炎症部分が隆起しているものや、しこりのような硬さのあるものは医師の診察が必要とされています。

そのような目印の一つとして認識してもらうためにも、赤と白のリボンになったとのことです。

このレッド&ホワイトリボンを掲げているドクターにお会いした際には、ぜひ積極的に口腔がんのことについて聞いてみてください。


レッド&ホワイトリボンを身につけて口腔がん撲滅運動に参加しませんか?

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  • レッド&ホワイトリボン
  • レッド&ホワイトリボン
  • レッド&ホワイトリボン

2015年6月 2日

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)とは

研究開始から20年の世界標準の口腔内蛍光観察装置。
積み上げられた実績は世界で約2,500万以上の症例数。
日本で正式な医療機器として届出!

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)とは、口腔内を観察する蛍光観察装置です。

口腔内の情報を400nm~460nmの青色光を照射してモニターに映し出します。それによって医師は口腔内粘膜に異形成の疑いがあるかどうか観察します。

2008年に販売が開始され、すでにアメリカ(FDA510(k))やカナダ(Health Canada)では医療機器として認可を受けておりスクリーニング機器として使用されています。

日本では、2015年3月に医療機器として届出をしました。
一般医療機器 届出番号:13B1X10181000046

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口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)の特徴

仕様

●コードレスでコンパクトなデザイン
  • 充電式であり、持ち運びが可能なため電源の無い場所でも使用が可能。
  • フル充電時での連続照射可能時間はおよそ15分程度。
  • 電源のダイレクト接続も可能なので、15分を超える連続使用も可能です。
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●簡単操作
  • ボタン1つで観察できます。

●最も優れた蛍光可視化技術
  • シンプルなプロトコル
  • 通常の(白色照明下で行われる触診による)口腔軟組織観察の補助装置として使用
  • 短時間の検査で操作も簡単
  • 痛みは全くなし
  • 容易にフォトドキュメンテーションが可能(カメラ付き)

●使い捨て保護キャップ、保護シートも用意
  • 保護キャップ:レンズを保護します。
  • 保護シート :ハンドピースとカメラを保護します。

●写真撮影が可能
  • 本機にデジタルカメラを装着することが可能なため、ドクターの見ているそのままの状態を写真で記録することが可能。
  • 撮影写真はデータとして記録出来るため、通常の口腔内写真と簡単に比較することが可能。

実績

●世界での導入件数
北米を中心に多数の導入がされており、
12,000名以上の医師が使用しています。

●症例数
世界での症例数は2,500万件以上にのぼります。

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非侵襲性

●光を照射するだけの非侵襲性の検査
口腔がんの検査はヨード染色や細胞診、組織診などさまざまありますが、それらと比較し患部に直接触れないため、患者さまにほとんど負担をかけることなく検査を行うことが可能です。

口腔粘膜異常を観察する医療機器

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)は、以下のような口腔粘膜異常を観察するための優れた医療機器です。

  • ウイルス、真菌、及び細菌感染
  • 様々な原因によって引き起こされる炎症(扁平苔癬、苔癬型反応、アマルガムアレルギー等)
  • 扁平上皮乳頭腫
  • 唾液線腫瘍
  • がんと前がん

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)は、染色や時間のかかる観察手順を必要としません。歯科医院で(白色灯下で)短時間で観察することができます。口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)は、世界23カ国で13,000名以上の医師が使用しており、2,500万件以上の実績があります。(LED Dentalのホームページより)

組織蛍光発光可視化技術を使った口腔内スクリーニング装置として、グローバル規模で支持を受けています。

VELscope®Vx

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)の特徴の次へのページ

病変描出の仕組み

口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)で口腔内に400nm~460nmの 青色光を照射し、その反射光によって組織の異形成の有無を観察します。
上皮異形成組織や炎症は青色光を反射することなく、光を吸収してしまうため暗色として見えます。これをFVL(蛍光可視の消失)と呼びます。

上皮異形成組織や炎症においては、細胞の代謝が活性化しFAD補酵素が減少するため自家蛍光が低下し、暗色となります。また、正常なコラーゲン架橋構造もFAD同様に蛍光物質であると確認されていますが、炎症の浸潤により架橋構造が破壊されると自家蛍光が低下するため暗色に見えます。

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健康な細胞にはFAD補酵素が存在し、このFAD補酵素が蛍光物質であると考えられていますが、上皮異形性やがん細胞においては、細胞の代謝が活性化しFAD補酵素が減少するため自家蛍光が低下し、暗色となります。

また、正常なコラーゲン架橋構造もFAD同様に蛍光物質であると確認されていますが、がんの浸潤により架橋構造が破壊されると自家蛍光が低下するため暗色に見えます。

参考表
●正常細胞→青緑色に見える(蛍光可視の保持)=FVR(Fluorescence Visualization Retention)
●異常細胞→暗色に見える(蛍光可視の消失) =FVL(Fluorescence Visualization Loss)

深達度

北米の報告によると、口腔内蛍光観察装置 VELscope®Vx(ベルスコープ)は、肉眼では判別が難しい粘膜異常の確認などには非常に有効である事が確認されていますが、照射される青色光が到達する深度はおよそ3~4mmまでであるとされています。
(※炎症の状態により深達度には若干の変動が生じます)

そのため、顎骨の異常や、厚い白板で覆われた部位などは青色光が到達しないため蛍光に変化は認められないことが報告されています。

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*LED DentalInc.が作成した操作説明書を監修


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口腔がん検診・口腔健診とは

皆様はお口の中できる"口腔がん"をご存知でしょうか。
日本では毎年3,000人を超える方が口腔がんによって命を落としています。

「ただの口内炎だと思っていた」
「痛みがないので放っておいた」

などの理由から発見が遅れた結果、手遅れになるケースが非常に多いのが現状です。
しかし、口腔がんは早期発見・治療ができれば命を落とすケースは少ないのです。

口腔がん検診では、患者さんのお口の中を隅々までチェックします。
そして、写真を使って作成した報告書を患者さんへお渡し、ご自身の目でお口の中を確認していただきます。
お口の中をすべてチェックすることにより、本人が自覚できない病変等を見つけることが可能です。

また、口腔がんは発見が遅れると患部を大幅に切除する必要があり、そういったケースでは発音や発声に障害が残ってしまうことが多くあります。しかし、早期発見・治療できれば切除範囲はごくわずかのため、発音や発声に障害は残らない場合が多いのです。

口腔がんは慢性的な刺激が要因で発生する場合が多く、発症してしまう前にその要因を発見し取り除くことが重要です。

定期的に検査をし、わずかな変化を見逃さないことで、口腔がんの早期発見と治療を実現します。
ぜひ毎年の検診をお受けください。

日米の歯科医師の収入格差

米国の歯科医師の平均年収は1位:外科医(約2,000万円)、2位:CEO(約1,900万円)に続き、
約1800万円
を超えるそうですが、(U.S.News"2013年調査資料より当時のレートで算出")
日本の歯科医師の平均年収はなんと621万円(平成25年厚生労働省調査)で、米国のおよそ3分の1しかないことがわかっています。

もちろん保険制度の違いなどもありますが、問題はそれだけではありません。

収入格差

日本の歯科医師は米国の9倍働いている?

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米国に比べ、日本は一医院あたりの患者数が約3倍との調査結果が出ています。(OECD Health Data 2009.調査)
日本の歯科医師は米国よりも、3倍の患者さんを診ているにも関わらず、収入は3分の1ということになり、米国の歯科医師レベルの収入を得ようとすると今よりも9倍働く必要があるという計算になります。

米国は予防。日本は治療。

米国の歯科医院受診理由の約82%は「予防」のため(『American Dental Association』1994より算出)であるのに対して 、日本での歯科医院受診理由は、約88%が「治療」のため(厚生労働省『保健動向調査』1999年より算出)であるという事実があることからも、まだまだ歯科医療の先進国とではの意識の差があると言わざるを得ません。
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歯科医師と大学病院の連携の重要性

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口腔がんを発見する高いスキルが必要
がんの早期発見の割合は、舌が23%、頬粘膜が8%、そして歯肉が6%です。目で見える場所であるにも関わらず早期発見率が低いのは、多くの方が「お口の疾患は虫歯や歯周病」だと思い込んでいる、という点にあります。口腔がんの初期は口内炎や潰瘍と区別がつきにくく、医師でも見逃してしまう場合があります。また、顎の中にできるがんは目で確認できないため、初期発見は困難を極めます。


痛みを伴うまでになるとがんが進行している状態ですが、ここで大きなポイントとなるのは痛みです。もちろん、虫歯や歯周病、親知らずにも痛みがあります。前がん病変である白板症の場合でも痛みます。 「キリキリ痛む」「ズンとする痛みを感じることがある」「安静にしていても痛い」患者さんからの訴えに対して、その痛みの原因が何であるかを正しく判断する能力が求められています。

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私は、口腔がんばかりでなく、どのようながん検診においても"がんではないことを否定するべき"と考えています。裏を返せば、徹底的にがんを疑え、ということです。口腔外科では、口腔がんの可能性があると診断した場合に細胞診を行います。口腔がんの多くは粘膜表面の扁平上皮に発症するので、疑わしい部位の表面を軽く擦り取り、詳しく検査します。その結果、がんでなければ安心というわけです。"がんであるわけがない"という意識で取り組むのと"がんではないことを否定する"大前提で患者さんのお口の中を診るのとでは大きな違いがあります。そしてそれが、今後の口腔がん発見率を左右するのです。

口腔がんの患者さんと真摯に向き合うために

●手術の前に伝えておくべきこと
口腔がんに限らず、どのような手術でも患者さんの多くは不安を抱えています。口腔がんでは手術部位や範囲によって機能障害が残る場合がありますが、手術が終わってから、ようやく機能障害に対するリハビリ方法を伝えられるのは酷です。術前から、舌の運動訓練、呼吸訓練、排痰訓練などを行いましょう。

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●術前に大切な口腔ケア
口腔がんの発見から手術まで、およそ2週間くらいです。術前に歯科医院でクリーニングなどの口腔ケアを行い、患者さんにも口腔内を清潔にするよう指導してください。これによって、術後の合併症リスクを減少させることができます。

●術前にできる評価
口腔機能の評価を行うことで、術後の機能障害の程度や回復の予測が可能となります。評価は術後も引き続き行い、口腔機能ばかりでなくQOLも併せて評価しましょう。

●術後の口腔ケア
口腔内を清潔に保つことは、感染予防と嚥下性肺炎の防止につながります。

●連携によって患者さんのQOLを高める
機能障害に対する治療を行う場合、患者さんの状態の記録、障害の予測、リハビリテーションが必要です。そのためには、歯科医師だけでなく、歯科衛生士、歯科技工士、看護師、薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、心理療法士、栄養管理士、臨床検査技師、診療放射線技師などの連携による医療が、患者さんのQOLを高める役割を果たします。

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たとえば舌がんで舌の半分以上を切除し、腹部などの筋肉で再建を行った場合。見た目は舌の形をしていますが、神経がつながっていないので自在に動かすことができません。そのため上手に発音できず、ロレツが回らない状態となります。再びコミュニケーションがとれるようになるには、言語聴覚士による発音の訓練が欠かせません。食事に関しては、すぐに固形物が食べられない、または食べられるものが限られる場合は、健康維持のための栄養管理士による食事に対する適切なアドバイスが必要です。

時には不自由な生活が続いて、メンタルに影響を及ぼすことがあるかもしれません。その際は心理療法士が患者さんのお話にじっくりと耳を傾け、適切なケアを行う必要があります。ほかにも下顎骨欠損、上顎骨欠損といった場合の顎顔面補綴治療では、歯科技工士の高い技術が要求されます。

このように、口腔がん治療の連携のネットワークをますます充実させることが、今後の大きなテーマとなってくるでしょう。

患者さんへのメッセージ~口腔がんに対する思い~

口腔がんの半分を占める舌がんは予防できます

口腔がんとは、文字どおりお口の中にできるがんで、舌、歯肉、口腔底、頬の粘膜、口蓋に発症します。中でも一番多いのが舌がんで、口腔がん全体の約半分を占めています。

舌は、味を感じるばかりでなく、細かく噛んだ食べ物を唾液とまんべんなく混ぜ、消化しやすい状態にする、嚥下(飲み込むこと)をスムーズにする、という働きがあります。そしてコミュニケーションに大切な発声にも大きな役割を果たしています。もし舌の機能が大きく失われたら、食べる楽しみが奪われてしまうばかりでなく、体によくないもの(腐っている、異物が混入している)を口にしたときに気づかない可能性があります。会話も不自由となり、人と接するのが億劫になってしまうかもしれません。

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口腔がんの原因は、喫煙、飲酒、慢性的刺激、口腔内の不衛生、虫歯、歯周病、感染症などとされています。そのうちの1つである慢性的刺激ですが、これは舌の形態と大きな関わりがあります。舌の裏側にある筋、舌小帯が短い状態を「舌小帯短縮症」と言います。舌が上の歯の裏につきにくい、舌を出したとき舌の先がハート型になる人は、この舌小帯短縮症である可能性が高いと言えます。稼動範囲が非常に狭いので、同じ箇所がこすられる状態=慢性刺激となって、そこにがんができやすくなります。舌小帯短縮症の治療は局所麻酔をして切るという方法が一般的ですが、粘膜は比較的治りが早く、舌の稼動率が広がることで滑舌がスムーズになります。

鏡の前でお口を大きく開け、舌の側面を見てください。ギザギサしていませんか?巨舌症やむくみ、食いしばりが原因で歯の形が残る場合がありますが、下の歯並びが悪い、全体的に内側に倒れている状態のときに舌がギザギザになる傾向があります。このときも、舌に歯が当たる慢性刺激となって、がんが発生する可能性があります。

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舌は自分の目で確かめやすい部位です。清潔なガーゼなどで舌を挟み、軽く引っ張るようにして細かい部分をチェックしてください。次のような症状が1つでもあれば、歯科医院で詳しく検査を受けましょう。

<チェック項目>
舌にしこりがある 舌の側面に詰め物や被せ物、入れ歯などがあたって傷ができている 舌にできた潰瘍から出血がみられる 舌に白い膜が付着している 赤い斑点や白い斑点がある 腫れや痛みがある

早期発見すれば口腔がんは怖くない

スキルス性胃がんをご存知でしょうか?一般的な胃がんは胃の粘膜の表面に異常が現れるため発見しやすいのですが、スキルス性胃がんは粘膜の下にがん細胞が広がっていくため発見されにくく、転移が早いという厄介なものです。一方、口腔がんは約5年かかってがん化しますので、半年に一度定期健診を受けておけば、十分に早期発見が可能です。

口腔がんに関するサイトを開くと"口腔がんを予防、早期発見するために歯科医院へ定期健診に行ってください"という言葉をたくさん目にすると思います。定期健診はとても大切なことですが「すべて歯科医師にお任せ」としないでください。

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自分の体の状態を一番わかっているのは、誰でもない自分自身です。口内炎ができたからすぐに口腔がんを疑って歯科医院へ行くのではなく、2週間経って治るかどうか様子をみてみる。頬にできた潰瘍を「心配することはありません」と診断されたものの、いっこうに治らない、指で触れるとしこりのようなものがあるときは再度受診してみる、もしくはほかの歯科医院でセカンドオピニオンを受けるなど、ご自身のお口の健康に積極的になってください。

最近こそ少なくなりましたが、やはり"話しかけにくい""質問すると眉間にシワを寄せる気難しい歯科医師"がいるのは確かです。患者さんには、ご自身の体の状態をより詳しく知り、疑問があれば専門家である歯科医師に説明してもらう権利があります。また、医療で大切なのは、技術はもちろん、患者さんと医師との信頼関係であると私は考えています。話すことで、患者さんの生活習慣がある程度把握できる、場合によっては疾患の原因となる事柄に気がつくこともあるでしょう。歯科に関らず、どの医院へ行くかの選択肢に「話に耳を傾けてくれる医師であること」を加えてみてもよいのではないでしょうか。

こちらのサイトでも、口腔がんについての説明や症状、治療内容などをお知らせしています。「口腔がんは恐ろしい」とネガティブになるのではなく「こういう症状のときは、このように対処してみよう」「より有効に医療機関を利用しよう」などポジティブに活用してください。繰り返しますが、口腔がんはほかのがんに比べて予防しやすく、早期発見、早期治療が十分可能です。口腔内環境を整え、美味しく食事ができて、楽しく会話ができる毎日をお過ごしください。

口腔内全体をしっかり診断するのが歯科医師の役目

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口腔がんと歯科医療には深い関わりがあります。早期発見するためには、自覚症状がない段階で見つけなければなりません。従来の歯科医療は、虫歯、歯周病という2大疾患に対する治療を一生懸命行ってきました。現在、日本は超高齢化社会となり、虫歯や歯周病ばかりでなくさまざまな口腔疾患が起こる頻度が多くなりましたが、その1つが口腔がんであると言えます。もはや、虫歯と歯周病、歯と歯肉だけしか診ない時代ではありません。口腔粘膜をきちんと診断することが、これからの歯科医師の役目です。

「どこで口内炎の治療を受けるか」と尋ねると半数は「内科」と答えます。本来なら歯科で診るべき疾患です。歯周病は、国民のほとんどがかかる、いわば国民病です。歯周病のメンテナンスは歯科医院に通うのが基本であり、半年に一度は歯のクリーニングを受けるのが望ましいでしょう。そのときに口腔粘膜も一緒に診てもらうのが非常に重要なのです。

粘膜疾患は口腔がんだけではありません。前がん病変である白板症、紅板症のほか扁平苔癬、カンジタ症など、約30種類あると言われています。現在大学では、学生教育で粘膜を診る重要性を教えています。これから卒業していく歯科医師は、粘膜を積極的に診る医師が増えていくでしょう。

昔は、粘膜まで診る余裕がありませんでした。虫歯が蔓延しているときは虫歯治療、子どもの虫歯予防に力を注いでいませんでした。しかし超高齢化社会で高齢者が増えて、口腔粘膜の病気が増えてきました。時代の移り変わりによって、歯科医師に求められるものが大きく変わってきたと言えるでしょう。「どの歯科医院へ行っても粘膜を診てもらえる」が求められる時代なのです。

日本はもう少し口腔がんへの認知度を高めれば、うまく早期発見できる国だと思います。おかしいと感じたら「たかが口内炎」「入れ歯が擦れてできた傷だろう」と自己診断せず、歯科医院で検査をしてもらうことが大切です。私はいつも検診のとき「口内炎が2週間経っても治らないときは、歯医者さんへ行ってくださいね」とお話しするようにしています。

他院でベーチェット病(口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状を主症状とする慢性の全身性炎症性疾患)と診断され、経過をみていたら口腔がんだった、という症例がありました。口腔がんへの認識が低かった、というのは忌々しき問題ですが、それでも10年前に比べると、だいぶ"口腔がん"は社会に浸透しています。

ある著名人が口腔がんで命を落とした、という悲しい出来事がありましたが、その一方で治療によってがんを克服して復帰を果たした方もいらっしゃいます。「口の中にもがんができる」「治療すれば十分社会復帰ができる」という認識と早期発見・早期治療、国全体をあげて口腔がん対策を行うことができれば、発症率は劇的に減少するはずです。

患者さんへのメッセージ~口腔がんに対する思い~

定期健診で早期発見
口腔がんの2大危険因子は、喫煙と飲酒です。ヘビースモーカー、ドリンカーはがんになりやすいと言えます。煙草に含まれるニコチン、タールには発がん性物質が含まれる上、熱による粘膜への刺激が口腔がんを引き起こします。これに飲酒が加わると、煙草の発がん性物質がアルコールに溶け出して舌や口腔粘膜に停滞することで、より口腔がんにかかりやすくなります。

これ以外にも、虫歯を放置しておいて歯が欠け、尖った部分が舌に当たることで慢性刺激となりそこからがんが発生したり、合わない入れ歯を長く使っていて粘膜が傷つき、がんになったりすることもあります。

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口腔がんは初期の段階では痛みがありません。普通に食事ができて、発音にも問題はありません。早期に発見できれば当然治癒率も高くなりますが、進行がんになると治療が困難となります。「痛みや出血がある」「口が開きづらい」「物が飲み込みにくい」「うまく喋れない」などの症状が出ると、がんが口の奥深くに入り込んだ状態で、がんを完全に取り除けたとしても後遺症が残ります。

胃がんや大腸がん、肺がんなど体内にできるがんは、胃カメラ、レントゲン、CTなど特殊な装置を使って検査しなければ見つかりません。しかし口腔がんは目に見えるところにできるので、早く見つかるというメリットがあります。

早期発見のために大切なのは、ご自身のお口の中をしっかりと管理することです。ブラッシングなどで口の中を清潔に保つ、口腔がんの予兆がないか(口内炎、潰瘍、白い斑点=白板症、赤い斑点=紅板症など)口の中を毎日チェックする、定期的に歯科医院で舌や粘膜の状態も診てもらうなど、ご自身でできるケアはさっそく今日から始めてください。

口腔がんの存在を再認識してください
口腔がんの症例写真を見ると、皆さん「どうしてここまで放っておいたのだろう?」と驚かれます。原因はやはり「口にがんができる=口腔がんになる」という認識が低いことにあると言えるでしょう。日本人の年平均の歯科医院通院機会は年3回もありながら、口腔がんの死亡率は46.1%です。これは、口腔がんが治癒困難な病気というわけではなく、多くは「がんだと気づかなかった」ことによる手遅れが原因であることがほとんどです。今一度「口腔がんは存在する」ということを、しっかり認識してください。

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お口の中に限らず、どのがんでも治療法は大きく分けて3つあります。手術による治療、放射線治療、抗がん剤による化学療法。ただし口腔がんの場合は、残念ながら抗がん剤だけでは治りません。

症状により異なりますが、多くの場合手術が選択されます。進行がんの場合、3つの治療法を組み合わせて行いますが、放射線は口腔乾燥という副作用を伴う場合があります。唾液が出なくなってしまうと、(お口が乾燥して)痛みで食事ができない、歯周病で歯を失うなどの症状が起こりやすくなります。なるべくこまめにうがいをして乾燥を防ぎ、食事は硬いもの、熱いものを避ける、歯科医院で適切な処置を受ける(投薬、クリーニング)などのアフターケアを行う必要があるでしょう。

昔は「がんは切除すればよい」でしたが、これからはいかにQOL(Quality of Life=クオリティ・オブ・ライフ(生活の質))を高めながらがんを根治するかが重要となっています。「これまでどおり食事や会話ができる」が我々のゴールであり、患者さんの幸せなのです。

いつまでも食事を美味しく食べ、スムーズに会話ができるのは、健康な口腔内環境であればこそです。なかなか治らない口内炎はありませんか?虫歯を放置していませんか?その入れ歯は合っていますか?口腔がんは、発症率は低いとはいえ対岸の火事ではありません。怖がる必要はありませんが、危機意識は持つべきでしょう。

大学病院との連携で口腔がん検診の信頼性を上げる

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口腔がん検診の報告は1985年頃からありますが、多くの場合、歯科医師会と大学歯学部口腔外科教室や医学部歯科口腔外科学教室、基幹病院(地域医療の中心位置にある病院施設)の歯科口腔外科が協力して行ってきました。

現在では歯科医師による集団健診と個別健診があり、集団健診は行政や歯科医師会、大学病院や国公立病院の歯科口腔外科が共同で定期的に行っています。国民の多くにかかりつけの歯科医院があることから、個別健診の徹底は口腔がん早期発見、早期治療に大きく貢献することが期待されます。

連携が患者さんを救う大きな砦に

疑わしい症例の患者さんがいた場合、普段から口腔粘膜疾患を診なれていないと、なかなか診断がつきにくいかもしれません。そのようなケースをサポートするために、東京歯科大学では『口腔がん検診ナビシステム』を構築しました。これは、口腔粘膜などに異常がみられる患者さんの問診票を作成し、口腔内の写真を登録することによって、専門医が診断のサポートを行うシステムです。

実際に患者さんのお口の中を診るわけではありませんので診断を下すことはできませんが、経過観察なのか、二次医療機関を受診させた方がよいのかなど、専門医の意見を求めることが可能です。

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開業医と大学病院の連携は、口腔がんばかりでなくほかの口腔疾患の治療内容の向上にもつながります。スムーズな連携はもちろん、大切な患者さんを託すのですから、信頼関係がしっかりとできている必要があります。もしあなたの大切な家族が口腔がんになったらどうしますか?今からあなたが送ろうとしている医療機関で安心でしょうか?まったく状況がわからない、というところへ積極的に送り出すなんてあり得ないはずです。

全国の歯科医師が今まで以上に口腔がんへの理解と知識を深め、研鑽を積み重ねることで、力強いタッグが組めると私は確信しています。

日本人の口腔がんへの危機意識の現状

日本全国に歯科医師は約10万人いますが、口腔がんの発生率が1~3%と低いこともあり、どうしても虫歯や歯周病、インプラントなどの治療に力を入れる傾向が強い状況です。「開業して患者さんの口腔内を診ても、口腔がんを目の当たりにするのは、一生に一度かゼロ」という先生もいらっしゃいますが、口腔がんと咽頭がんにより年間約7,000人が尊い命を失っているのです。

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患者さんが口腔がんを克服し、再び快適な生活を取り戻すためには、何よりも早期発見が大切です。ごく初期の段階、がんの一歩手前で食い止めなければなりません。場合によっては良性の疾患を経由してがんになる可能性もあるので、さまざまな方向から口腔内を診断する必要があります。ある歯科医師は、年間1~2人口腔がんを発見しています。すると「一生に一度か、ゼロ」に大きな疑問がわいてこないでしょうか?

1人でも多くの歯科医師が定期的に口腔がん検診のトレーニングを受け、大学病院との連携を強くし、国民の口腔内全体をケアしていけるようになる必要があると言えます。「口腔がん検診を受けてがんが見つかった」「日本人の口腔がん5年生存率が向上、死亡率が著しく低下した」を1日も早く実現するためにも、歯科医師が一丸となって取り組んでいかなければならないのです。

口腔がんの一般的な治療法

口腔がんは、ほかのがんと同様に、手術療法、放射線療法、化学療法の3つがあります。たとえば舌がんになったとしましょう。3つの療法をどのように使うかは、がんの大きさや患者さんの症状によって異なります。

リンパ節への転移がなく、がんの大きさが2cm以下のステージ1の場合は手術で切除します。どうしても切りたくない、と患者さんが希望する場合には、放射線治療を行うこともあります。2~4cmのステージ2になると、やや大きくなるため手術が主体となります。それ以上ステージが進むと、半分またはそれ以上大きく切除しますので、移植をする必要があります。患者さん自身の前腕の皮膚と脂肪(遊離前腕皮弁)、もしくは腹部から皮膚と脂肪をその下の腹直筋と一緒に採取して(遊離腹直筋皮弁)口腔内に移植します。

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舌半側切除術の術後はやや食べにくさが残りますが、多くの場合、手術を行う前とほぼ同じように食事をすることができます。発音しづらくなる言葉はありますが、日常会話に不自由することはありません。

舌を全部摘出した場合は、前腕筋や大胸筋の一部を切って皮弁を形成し、移植片の動静脈と頸部の動静脈を顕微鏡下で縫い合わせて舌の運動機能を再建します。リハビリによって食べたり飲み込んだりはある程度できるようになりますが、味覚機能は失われ、発音がしにくいため、会話が困難となります。

がんがあまりにも大きくなった場合、放射線で根治するのではなく、大きいものをダウンステージして手術で切除しますので、放射線と手術の併用療法となります。また、切除したあと、予防的に放射線をかける治療法もあります。

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化学療法がどのように行われるのかというと、手術でがんを切除したあと、再発防止に抗がん剤を投与する場合があります。
しかし、化学療法剤によっては、唾液の量を減らしてしまう、出にくくなるといった副作用があります。だ液には口腔内を殺菌する力がありますが、分泌が低下することで、虫歯や歯周病になりやすい、食べ物が飲み込めない、味覚が鈍くなるなどの症状が現れやすくなります。

患者さんへのメッセージ~口腔がんに対する思い~

あなたの身近に潜む口腔がんの危険性
"がん"と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるのは5大がんと呼ばれる「胃がん、大腸がん、肝がん、肺がん、乳がん」だと思いますが、実はお口の中にもがんができることをご存知でしたか?「口にがんができるんですか?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。

確かに口腔がんは、がん全体からみると約1~3%と数値は低いものの、絶対にかからないという保証はどこにもありません。がんにかかる原因はさまざまですが、まず気をつけなければならないのは口腔環境です。

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喫煙や飲酒の習慣がある、歯並びが悪い、被せ物や詰め物が不適合、入れ歯がいつも同じ場所にあたって傷ができているなどが、粘膜の褥瘡(じょくそう=皮膚に持続して刺激が加わることで、皮膚や粘膜に傷ができること)を起こす原因となり、やがてDNAの修復機能に異常が発生して発がんする可能性があります。

日本では八重歯が愛らしいと好印象を持つことが多いですが、実はこれも褥瘡の大きな原因となりますので、抜歯する、矯正で粘膜を刺激しないようにするなど、治療を受けたほうがよいのです。「そんなことで口腔がんになるの?」と首を傾げるかもしれませんが、それだけ口腔がんの原因は見逃しやすい、知らなければ見落としてしまうところに潜んでいるのです。

虫歯や口内炎、歯肉炎が口腔がんの原因となる場合があります。そこにさまざまな要因が重なるケースもありますが、口腔がんにかかる人の1日の歯磨き回数は明らかに低い、という統計が出ています。お口の中を清潔に保っていないということは、それだけ口腔内環境に意識が向いていない=非常に危険な状態、といっても大袈裟ではありません。

食事を摂る、煙草を吸う、お酒を飲むなど、お口の中は想像以上に過酷な環境にあります。それだけしっかりケアするべき体の部位でありながらほとんど歯磨きをしないのは、口腔内を積極的に劣悪な環境にしているのと同じなのです。

体内にできるがんと違い、口腔がんはご自身の目で確かめることができます。食後のていねいな歯磨きはもちろん、明るい場所に鏡を置いて、お口の中を隅から隅までしっかりチェックすることを習慣にしてください。

歯科医院が運命の分かれ道になることがあります
入れ歯を作ってほしいと歯科医院を受診した患者さんに、口腔がんが発見されたケースがありました。残った歯がグラグラして歯肉がブヨブヨ、典型的な歯周病の症状で、まず2本歯を抜きました。しかし治りが悪く、残りの歯を抜いたところ、歯肉が盛り上がったような状態となり、がんであることが判明しました。もしこの患者さんが入れ歯を作ろうと思わなかったら、もしかすると発見が大幅に遅れて命を落としたかもしれません。

また別のケースでは、ご自身は歯周病だと思い歯科医院へスケーリングに通っていたのですが、歯石を取っても症状が改善しません。一部潰瘍を起こしている箇所もあったので検査したところ、口腔がんと診断されました。

これらのケースは何らかの症状が表れていますが、口腔がんの初期症状は、口内炎や歯肉炎、潰瘍と見分けがつきにくいという厄介なものです。なかなか治らない口内炎や潰瘍がある、指で触れるとしこりのようなものがあるなど、気になる症状があったら自己診断せず、速やかに歯科医院を受診してください。

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これからは、虫歯や歯周病、入れ歯治療ばかりでなく、粘膜の状態が正常かどうか、口腔がんの疑いがないか検査を受けるために歯科医院へ行く、という時代です。しかし、定期健診や体調の異変を感じて病院にかかったとき「がんではありません」と診断されたが、実はがんだった、がんの一歩手前だった、ということがゼロではありません。「異常なし」と診断されても、不安や疑問があったら積極的にセカンドオピニオンを受けてください。

※セカンドオピニオン
「第二の意見」という意味で、ある医師から下された診断や治療方針について、別の医師に意見を求めること。

2015年6月 1日

口腔がん検診・口腔健診の内容

口腔がん検診
口腔がんの早期発見や、異形成段階(がんになる前の状態)を早期発見し治療するために、お口の中をチェック(検診)します。

口腔健診
お口の中の口腔がんになる可能性のある要素(原因)をチェック (健診)します。
また、医院により、歯周病検査や唾液検査(口腔内細菌検査)などをオプションで行うことにより、お口の中を総合チェック(健診)します。

口腔がんの主な原因(症例から)
・歯列不正(歯並びが悪い)、義歯不適(入れ歯が合わない)
・う蝕(虫歯)・歯周病、詰め物・被せ物不適
・舌小帯付着異常(舌の裏の紐のような部分が短い方は要注意)
・アマルガム(金属の詰め物
・口内炎(10日くらい経過しても治らない場合は要注意)
・歯列不正(歯並びが悪い)、義歯不適(入れ歯が合わない)
・HPV(ウィルス)、など

口腔がん検診の重要性
日本は、世界の先進国の中で、唯一、口腔がんの死亡数が激増している国!ということをご存知でしたか?
(※日本での口腔がん患者の死亡率は「46.1%」と米国(19.1%)の約2.5倍です!)

口腔がんは、悲惨な「がん」です。手術になれば、舌・顎・頬の一部、もしくは、大部分を切除せざるを得ず、その結果、口の機能に大きな障害を持つことになります。

通常、がんになるまでには5年~10年はかかりますので、
最低でも1年に1回、「口腔がん検診」を受診し、早期発見・前がん状態での治療を心がけてください。

口腔がん検診の基本的な流れ

1.問診票の入力(記入) (5分)
口腔がんになる要素がどれくらいあるか?生活習慣についてご入力(ご記入)いただきます。

問診票の記入


次

2.視診・触診 (5分)
視診:お口の中のに異常がないかを目で確認します。
触診:ゴム手袋を付けた指で触り、しこりや盛り上がっているところがないかを調べます。

問診票の記入


次

3.検診・写真撮影 (5分)
お口の中の状態を写真撮影します。

ナビシステム
異常を発見した場合、大学の口腔外科専門医に、撮影した写真をすぐに送信し診断のサポートを依頼します。


次

4.報告書を元にカウンセリング (10~15分)
結果を報告書にまとめ、それを元に口腔内の現状に関しカウンセリングを行います。
口腔内に関し、歯科医師から指摘を受けた場合は、速やかに歯科医院に通院し、口腔内の治療や改善を行ってください。

問診票の記入


※口腔がん検診は目安として約30分程度かかります

柳下寿郎先生のプロフィール

柳下寿郎先生

日本歯科大学附属病院 歯科放射線・口腔病理診断科
教授

【経歴】
1989年 3月 日本歯科大学歯学部 卒業 1993年 3月 日本歯科大学大学院歯学研究科 修了 1993年 4月 日本歯科大学歯学部病理学教室 助手 1996年 1月 州立フロリダ大学歯学部 客員研究員 1998年 4月 日本歯科大学歯学部病理学教室 講師 1998年10月-2004年 8月
東邦大学医学部第一病理学講座 非常勤研究員 2001年10月 人体解剖資格医 取得 (第7494号) 2004年08月 口腔病理専門医 取得 (第126号) 2004年10月 日本歯科大学歯学部病理学講座 准教授 2005年10月 日本歯科大学附属病院口腔病理診断室 異動 2009年 4月 日本病理学会 評議員 2010年 4月 口腔腫瘍学会 評議員 2011年12月-2013年11月
科学研究費委員会専門委員
2012年 4月 日本歯科大学附属病院歯科放射線・口腔病理診断科 科長 2012年 4月 口腔病理専門医研修指導医 2012年12月 細胞診専門歯科医認定医 取得 2014年12月 1日 東京医科歯科大学非常勤講師 2015年 4月 1日 東邦大学医学部客員講師

埼玉県立がんセンター病理科 非常勤研究員


結果

口腔がん検診・口腔健診では、お口の中の状態や写真を検査報告書にすることで、受診者の方に口腔内の状態をわかりやすくご説明します。
また、その記録を保管し、毎年の検診(健診)におけるお口の中の変化を見続けます。

尚、異常が見られた場合は、スタッフと共に治療計画を立てて治療へ移ります。

報告書
1枚のもの、3枚つづりのもの、2種類あります。
※どちらの報告書を使用するかは受診する医院へご確認ください。

また、日本語のほかに、英語、中国語にも対応しています。

報告書


次

問題なし
継続して、最低でも年に1回は口腔がん検診・口腔健診を受けましょう。

何らかの異常があった場合
スタッフと共に治療計画を立てて治療へ移ります。 大学病院等を紹介する場合もあります。


費用

各医院ごとに検診内容が異なりますが、費用の範囲は「5,000円~10,000円」くらいです。
実際の費用は、各医院にお問い合わせください。

年に1回は口腔がん検診・口腔健診を受けましょう