口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を順次行っていきます。
時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。
2017年12月25日
口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を順次行っていきます。
時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。
このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を
順次行っていきます。
時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。
さて、第3回は、以下のことをお話しします。
一般的に、がんは、
・食生活
・生活習慣(酒とタバコ)
・ウイルス
の3つのどれかが引き金となって遺伝子に異常が起こり、がん細胞が発生する
と言われています。
一方、口腔がんでは、ウイルス性の発がんは、
10%以下(ヒトパピローマウイルスHPV)で少なく、さらに慢性的な刺激や傷が
病因として大きく関わります。
食生活や生活習慣によって劣化した口腔粘膜に、慢性的な刺激や傷ができると、
直下の上皮細胞は分裂を繰り返し、創傷治癒が行われます。
異常な細胞はこの分裂するときに発生するので、分裂回数の多いほど
癌化の確立は高くなります。
そのため不適合な補綴物、歯列不正、咬傷、習癖などは要注意となる訳です。
しかし誤解しないでください、傷=癌化ではありません。
ヒトには組織修復や異物除去などの機構や、がん細胞を取り締まる免疫機能なども
ありますので、簡単にはがん化しません。
患者年齢や後天的な免疫低下(臓器不全や薬剤性など)によって、
度重なる分裂現象にONとOFFの不適合が起こり発生すると考えられています。
2017年12月24日
このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を順次行っていきます。
時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。
さて、第2回は、以下のことをお話しします。
悪性腫瘍にはいろいろな種類があります。
腫瘍は、本来の組織細胞が何らかの原因によって性格を変え、自律的、非可逆的に過剰増殖した病態です。
元の組織細胞の存在位置によって、大きく3つに分類することができます。
すなわち、上皮系、非上皮系そして血液系です。
上皮には、外気や液体にさらされている被覆面と結合組織に接着する基底面があり、口腔粘膜では約0.5μmの重層扁平上皮によって脈管神経、脂肪、骨などの結合織(非上皮)を被覆しています。
上皮系から発生した悪性腫瘍を「癌」、非上皮系は「肉腫」、そして、血液系は白血病や悪性リンパ腫などと呼称されて、口腔内にて発症します。
例えば、口腔に発症した上皮系悪性腫瘍ならば扁平上皮癌、非上皮系ならば血管肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫などが挙げられます。
厳密には「がん」と表記した場合、上皮系+非上皮系+血液系のすべてを表し、「癌」の場合は上皮系のみを指すことになります。
口腔がんでは扁平上皮癌が全体の90%以上を占める
しかし、口腔がんでは扁平上皮癌が全体の90%以上を占めているので、「口腔がん」と「口腔癌」は同義語(広義)として区別なく扱われることが多くなっています。
カタカナの「ガン」には特別な意味はありません。
今回から、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を順次行っていきます。
時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。
さて、先ず第1回は、口腔がんの数からお話します。
世界的な傾向でもあるように、日本の口腔がんは増加の一途を辿っています。
国立がん研究センターがん対策情報センターの発表からも明らかなように、患者数は30年前と比較すると「約3倍以上」になりました。
日本の口腔・咽頭がんの羅患者の推移
表記では『口腔・咽頭がん』の統計となっていますが、約5~6割以上は、口腔がんが占めていることから、『口腔がん』の実態と言っても決して過言ではありません。
現在では、国民10万人に対して、6~8名以上の発症率となりますが、日本の胃がん、肺がんなど28種のがんの中で12番目の発症率、そして、予後の順番では20番目という治りにくいがんになります。
日本の口腔がんは増加傾向にあり、予後の悪いサイレントキラーとして、私たちに忍び寄っています。
2017年12月20日
2017年12月3日(日)
於:佐賀県歯科医師会館 1F大ホール
『満席!』参加者数:70名(定員50名)
■歯科医師:46名12月3日(日)『地域の口腔がんを考えるシンポジウム 第2弾 西日本編(全11地区12回)』の第2弾 佐賀県版が開催されました。
本年度、建て替えたばかりの大変オシャレな歯科医師会館が満席となり、シンポジウム全般で活発な質疑応答も繰り返され、熱気あふれる1日となりました。
その熱気を少しでも皆様と共有したく、佐賀開催の様子やご参加いただいた皆様の声(アンケート)を、ホットな状態で(記載いただいたままで)お伝えさせていただきますので、ぜひ、ご一読ください。
尚、今後の開催予定は以下の通りです。ぜひ、ご参加ください。
【第2弾 西日本編 今後の開催スケジュール】
・福岡県(福岡) | 2018年1月21日(日) | 11:00~16:00 | 於:JR博多シティ |
・福岡県(北九州) | 2018年1月28日(日) | 11:00~16:00 | 於:小倉歯科医師会館 |
・岡山県 | 2018年2月 4日(日) | 11:00~16:00 | 於:岡山県歯科医師会館 |
・山口県 | 2018年2月25日(日) | 11:00~16:00 | 於:山口県歯科医師会館 |
・沖縄県 | 2018年 3月 4日(日) | 11:00~16:00 | 於:沖縄島県歯科医師会館 |
・宮崎県 | 2018年 3月11日(日) | 11:00~16:00 | 於:宮崎県歯科医師会館 |
・鹿児島県 | 2018年 3月25日(日) | 11:00~16:00 | 於:鹿児島県歯科医師会館 |
・大分県 | 2018年4月8日(日) | 11:00~16:00 | 於:大分県歯科医師会館 |
・長崎県 | 2018年 4月15日(日) | 11:00~16:00 | 於:長崎県歯科医師会館 |
・広島県 | 2018年4月22日(日) | 11:00~16:00 | 於:広島県歯科医師会館 |
主なコメント
■佐賀県の現状についてよくわかりました。
■県内の「口腔がん」の実態を知ることができ、県内の状況を知ることで、後に続く柴原先生の講演も分かりやすかった。
■佐賀県内での口腔がん生存率などが分かった。
■佐賀における検診状況、口腔ガンの現状がわかり、とても良かったです。若年層での検診は人間ドックなどでもできれば、もっと身近なものになるのでは・・・・と思いましたが、かかりつけ医での検診時良く粘膜の状態まで見ることが大事だと改めて思いました。
■佐賀の口腔がんについての症例を知ることができた。
■歯科衛生士として患者様の口腔内をしっかり診る事を行いたいと思います。
■「口腔がんの第一発見者は歯科医師や歯科衛生士である」という事を常に胸にきざみ、一人一人の患者さんの口腔がんを決して見逃さないという意識の下、日々の診療に臨んでいきたいと思います。
■佐賀県での現状把握でき非常に参考になった。周囲から大きな特徴はないが、対策が必要だと感じられた。
主なコメント
■実例をあげて説明していただき、分かりやすかった。
■口腔がん検診の重要性を認識した。
■具体的なケースを提示等、大変参考になりました。
■熱意ある先生の行動に賛同致します。
■leukoplakia(白板症)を軽く視ていた→followの重要性を痛感!!
■白板症などの前癌疾病にも注意しようと思った。口腔・咽頭がんの罹患者率・死亡数が上昇傾向にあることに気付いた。口の中を隅にまで見る癖をつけようと思った。
■非常に分かりやすい説明をしていただきました。
■口腔がんは増加の傾向にあり、若年化している事、国民の認知度が低いと感じています。啓発活動は重要な事と思います。(例:市民講演会)
■口腔がんの早期発見の大切さ等良くわかった。
■口腔がんの若年化にはびっくりです。口腔内、咽頭部まで良く視ているつもりですが、尚更、よく視ていこうと自覚しました。早く市民に「口腔がん」を知ってほしいです。
■統計、臨床、基礎(病理)の話があったがとても分かりやすかった。特に病理の話はあまり聴く機会がないため有用であった。
■日本の実状がわかりました。
■口腔がんの若年化や女性が多くなったことなど知らないことがたくさんありました。
■蛍光用観察装置などの新しいツールの基本的考えが学べた。
■年齢が高くならないと、ガンのリスクは高くならない様な気がしていましたが、若年層での発症が増えていることにびっくりしました。
■診療中、どうしても歯、歯肉にばかり目が行ってしまいがちですが、粘膜の状態の確認も必要だと改めて思い、明日からの臨床で実施したいと思います。
■蛍光観察装置は値段が安く、患者にも進めやすいと思った。
■視診、触診のやり方がわかり訪問歯科では粘膜症状があるので明日からの仕事で口腔粘膜・舌をプラスみていきたいと思った。
■蛍光観察装置を使った口腔がん検診をぜひ早期に始めるようすすめてもらいたい。
■口腔がんの死亡率の高さに驚きました。日々の診療、メンテナンス、口腔ケアの際に観察する大切さを改めて思いました。
■画像が多くとても分かりやすかったです。粘膜に異常がある方を何人も見ますが、正しい見方等を教えて頂き今後にとても参考になりました。ありがとうございました。
■予防に対するDHの役割の大きさは常日頃から感じておりましたが、口腔がん早期発見においても存在の大きさを改めて感じました。日本と米国の差をうめられるよう私自身も研鑚していきたいと思います。
■問題点としてDr.が歯しか診ていない、DHがアシスタントに徹している、専門医とGPという枠組みをもう一度考え通さないといけないのではないだろうか?Dr.が一人で全てを抱えて、という時代は終わったと思う。
主なコメント
■口腔ガンへの取り組みに少しでも役に立ちたいと思う内容でした。
まずは歯科医療者が興味を持って伝えていかなければと思いました。いい機会をありがとうございました。
■もっともっと活動を拡げていきたいですね。スタッフにも伝達し、リボンをつけて診療したいと思います。待合室に貼るポスターが欲しいですね。熱意を感じた!!
■歯科の未来が感じられた。
■とても素晴らしいことです。
■認知度が低いと知らなかったため、認知度をあげるのは大切なことだと思った。
■米国と比べて数字の高さに驚きました。口腔内に関して興味がやはり日本はまだまだ低いと痛感しております。発見が遅くなり、顔面の形が変わるくらい後遺症もあるため早期発見に努めたいと思います。
■口腔がんについて、民間の認知度がここまで低いとは知らず驚きました。自身の知識を増やしていくことはもちろんですが、患者さんに対し、もっと啓発活動をしていかなければならないと改めて痛感しました。
■目的が明確。もっとアメリカでのOral Cancer Screeningについて聞きたかった。
主なコメント
■歯周疾患健診は受診料が低いので「口腔がん検診」という名前を入れるのも一考。個別健診するなら、行政とタイアップする必要があるので県歯会が推進してほしい。65健診を強化することでも良い。
■国民への啓発が大切。行政を絡めて進めてない。特定健保に歯周病と合わせてもらいたい。
主なコメント
■「口腔がん」検診をぜひ県民の皆さんに知ってもらいたいと思いました。
■口腔がん撲滅委員会の力強いアプローチに賛同致します。
■我々歯科医師が本当にそのような視点で口腔内を真剣に診る必要がある。助かる命があるという事、身近にあることを認識できた。大切な取組だ。もっと多くの県内の参加者がいても良かった。
■この分野においてまだまだ無知な部分が多いので、知識を増やしていこうと思う。またいろいろ情報をください。
■自分の目で診て触って診断する重要性もありますが、セカンドオピニオンが欲しいという心理的サポートと専門的なサポートをしてもらえるところが心強いなと思いました。
■「先進国の中で唯一日本だけが口腔がんの死亡率が上昇している」というキーワードがとても心に刺さった。このフレーズで認知度の上昇とそれに応えられる歯科医師になりたいと思いました。
以上です。
※ご参加者の皆様、アンケートへのご協力をありがとうございました!
以下、会場の様子で~す。
★「地域の口腔がんを考えるシンポジウム(西日本編)」の第3回目以降のご参加お申込みは以下まで
2017年12月14日
「最新医療経営」2018年1月号に「医療×企業 リーダー対談」と題し、東京歯科大学 口腔顎顔面外科学講座 主任教授 柴原先生とデジタルワン株式会社 代表取締役 中谷社長の対談記事が掲載されました。
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