9.米国では 「私を病気から守ってくれる所=歯科医院」

 日本では、「歯科医院は歯を治療する所」と思われていますが、米国では「病気を治してくれる人=医師」、一方、歯科医院は、ただ単に歯を治す所ではなく、口腔全体に関わり、口腔の病気は勿論のこと、口腔を通じて行われる食育までを指導してくれる所、つまり、「(私を)病気から守ってくれる所=歯科医院」という考え方が当たり前として捉えられています。

 そうなのです。米国では食など中心とする生活習慣の改善も歯科医師の役割となっており、「私を病気から守ってくれる人=歯科医師&口腔予防医療」との認識ゆえに、医師と同じくらいの立場、年収、尊敬度となり、従って、歯学部の入学レベルも医学部と歯学部では大差ないレベルとなっているのです。

 その結果、歯科医師の職業人気ランキングは、常に上位に位置しています。  2015年時点での職業人気ランキング(The 100 Best Jobs)では、ナンバーワンにランクインしており、歯科衛生士(DH)も5位に、そして、同平均年収ランキングでは歯科医師は「146,340ドル(約1,700万円)」と医師についで第2位に位置しています。(図22)

 つまり、誰もが尊敬する、且つ、高収入な立場、憧れの職業に位置されているのです。

 日本における「医療費の削減問題」、そして、寿命が尽きるまで元気に楽しく生活するためには食が重要であり、それは歯科医院の存在を現在の単なる歯を治す所から、歯を残し、口腔全体を管理し、且つ食育まで含めた全身管理までを診てくれるような健康ステーションにすること、その結果、米国同様、「私を病気から守ってくれる所(人)=歯科医院(歯科医師&口腔医療)」という存在に押し上げることが不可欠であり、そのためにも「口腔がん検診・口腔健診」の仕組みが実現するきっかけになるよう、日本中に推進展開していきたく思っています。

米国人の職業人気&年収ランキング

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