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第1回:忍び寄るサイレントキラー
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第2回:「口腔がん」と「口腔癌」の違いは?
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第3回:口腔がんは、なぜ起きるの?
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第4回:口腔がんの好発年齢と性差
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第5回:口腔がんの好発部位
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第6回:口腔がんの治癒率
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第7回:世界の口腔がん
2017年12月24日
『第2回:「口腔がん」と「口腔癌」の違いは?』
「知ってトクするコラム」
『第2回:「口腔がん」と「口腔癌」の違いは?』このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を順次行っていきます。
時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。
さて、第2回は、以下のことをお話しします。
悪性腫瘍にはいろいろな種類があります。
腫瘍は、本来の組織細胞が何らかの原因によって性格を変え、自律的、非可逆的に過剰増殖した病態です。
元の組織細胞の存在位置によって、大きく3つに分類することができます。
すなわち、上皮系、非上皮系そして血液系です。
上皮には、外気や液体にさらされている被覆面と結合組織に接着する基底面があり、口腔粘膜では約0.5μmの重層扁平上皮によって脈管神経、脂肪、骨などの結合織(非上皮)を被覆しています。
上皮系から発生した悪性腫瘍を「癌」、非上皮系は「肉腫」、そして、血液系は白血病や悪性リンパ腫などと呼称されて、口腔内にて発症します。
例えば、口腔に発症した上皮系悪性腫瘍ならば扁平上皮癌、非上皮系ならば血管肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫などが挙げられます。
厳密には「がん」と表記した場合、上皮系+非上皮系+血液系のすべてを表し、「癌」の場合は上皮系のみを指すことになります。
口腔がんでは扁平上皮癌が全体の90%以上を占める
しかし、口腔がんでは扁平上皮癌が全体の90%以上を占めているので、「口腔がん」と「口腔癌」は同義語(広義)として区別なく扱われることが多くなっています。
カタカナの「ガン」には特別な意味はありません。
患者さんの口腔内に疑問を感じたら、すぐにオーラルナビシステムでご連絡ください。
「知ってトクするコラム」
『第1回:忍び寄るサイレントキラー』
「知ってトクするコラム」
『第1回:忍び寄るサイレントキラー』今回から、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を順次行っていきます。
時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。
さて、先ず第1回は、口腔がんの数からお話します。
世界的な傾向でもあるように、日本の口腔がんは増加の一途を辿っています。
国立がん研究センターがん対策情報センターの発表からも明らかなように、患者数は30年前と比較すると「約3倍以上」になりました。
日本の口腔・咽頭がんの羅患者の推移
表記では『口腔・咽頭がん』の統計となっていますが、約5~6割以上は、口腔がんが占めていることから、『口腔がん』の実態と言っても決して過言ではありません。
現在では、国民10万人に対して、6~8名以上の発症率となりますが、日本の胃がん、肺がんなど28種のがんの中で12番目の発症率、そして、予後の順番では20番目という治りにくいがんになります。
日本の口腔がんは増加傾向にあり、予後の悪いサイレントキラーとして、私たちに忍び寄っています。