『第7回:世界の口腔がん』

「知ってトクするコラム」

『第7回:世界の口腔がん』


このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を
順次行っていきます。

時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。

さて、第7回は、以下のことをお話しします。

『第7回:世界の口腔がん』

世界保健機構(WHO)は各がんの死亡者数の推移を毎年発信しています。

2017年のWHO MortalityDatabaseの中から、
口腔・咽頭がんの死亡者数の各国比較が示されました。

※ご参考まで
↓↓↓↓↓
http://www-dep.iarc.fr/WHOdb/WHOdb.htm

全世界で年間40万人以上の方が死亡していて、罹患者の局在をみれば、
東南アジアなど発展途上国に顕著な病変です。

日本を含めアメリカ、イギリス等の先進諸国での死亡者数の推移をみると、
なんと日本だけの右肩上がりの急激な増加が一目瞭然となっています。

他の先進国と比較しても、日本の死亡者数が激増
他の先進国と比較しても、日本の死亡者数が激増

日本以外の先進国では、横這い、または、微増(イタリア、フランスは減少)
にも拘わらず、日本では1980年から高い傾斜を持って増加しています。

アメリカと日本を比較すれば国土は日本の約20倍、人口は約3倍ですが、
口腔がん・咽頭がんの死亡者数は約9,500と約7,500を表し近似しています。

理由として、口腔がん治療が日本よりも優れているからではなく、早期がん発見の
システムが功を奏した結果だと思います。

アメリカでは歯科医学教育機関、アメリカ歯科医師会、口腔がん財団などが中心と
なって、一般開業歯科医師をレベルアップに努めています。


患者さんの口腔内に疑問を感じたら、すぐにオーラルナビシステムでご連絡ください。

口腔がん検診『オーラルナビシステム』登録申し込み(無料)

「知ってトクするコラム」

『第6回:口腔がんの治癒率』

「知ってトクするコラム」

『第6回:口腔がんの治癒率』


このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を
順次行っていきます。

時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。

さて、第6回は、以下のことをお話しします。

『第6回:口腔がんの治癒率』

日本の口腔がんは、国民10万人に対して6~8名以上の発症率となりますが、
日本の胃がん、肺がんなど28種のがんの中で12番目の発症率、
そして、予後の順番では20番目という治りにくいがんになります(前述)。

今回は口腔がんの治癒率について解説します。

全国がんセンター協議会の報告によれば、口唇・口腔・咽頭がんの5年生存率は、
ステージ別に見ますと、

・1期(大きさ≦2cm and深さ≦5mm) :80.3%、
・2期(大きさ2cm< and 5mm<深さ≦10mm、大きさ≦2cm and深さ≦10mm):67.2%
・3期(4cm<大きさor 10mm<深さ、リンパ節転移):53.4%、
・4期(隣接器官へ波及、リンパ節転移):38.9%

となっています。

口腔がんに限っては、

・1期:93%、
・2期:80%、
・3期:70%、
・4期:60%

とする報告が多く、早期発見の効果が立証されています。

口唇・口腔・咽頭がんの5年生存率

そのため(罹患者数が少ないため)胃がん等の国が推奨するがん検診の対象となっていませんが、早期発見による治療法は確立しているため、検診活動の意義はあります。

進行すれば、生命の危機を回避できたとしても、咀嚼、会話、審美など多くの負担を強いることになります。

口腔がんは、早期発見、そして、早期治療が成立つ癌なのです。


患者さんの口腔内に疑問を感じたら、すぐにオーラルナビシステムでご連絡ください。

口腔がん検診『オーラルナビシステム』登録申し込み(無料)

「知ってトクするコラム」

『第5回:口腔がんの好発部位』

「知ってトクするコラム」

『第5回:口腔がんの好発部位』


このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を
順次行っていきます。

時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。

さて、第5回は、以下のことをお話しします。

『第5回:口腔がんの好発部位』

口腔内の、歯を除いたどの部分からも発症します。

すなわち、唇、歯肉、頬、口底、口蓋、そして顎骨などが該当します。

口腔がんの好発部位

なかでも舌が最も多く、40%以上を占めています。

舌と言っても口腔内最大の臓器なため、いろいろな部位に分かれていて、
舌尖、舌背、舌側縁、舌下面、そして舌根から構成されています。

なかでも口腔がんの好発部位は万国共通で舌側縁です。

その他の部位にも発症しますが、頻度としては低く、特に舌背は稀です。

もし舌背原発の口腔がんがあれば、それだけで学術誌の症例報告となります。

海外に目を転じてみれば、頬粘膜が好発の国もあります。

これは檳榔樹の噛みタバコの噛み汁が原因で患者の独特なライフスタイルが
影響しています。

口腔粘膜診査のとき、一口腔単位として隅々まで視診と触診をすることは重要
ですが、舌側縁は特に念入りにチェックをお願いいたします。

舌側縁の奥には葉状乳頭または舌扁桃の隆起物があり、一見『舌がん』と見間違う
ことがありますのでご注意ください。

今一度、解剖書を紐解き正常像を把握しておきましょう。

患者さんの口腔内に疑問を感じたら、すぐにオーラルナビシステムでご連絡ください。

口腔がん検診『オーラルナビシステム』登録申し込み(無料)

「知ってトクするコラム」

『第4回:口腔がんの好発年齢と性差』

「知ってトクするコラム」

『第4回:口腔がんの好発年齢と性差』

このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を
順次行っていきます。

時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。

さて、第4回は、以下のことをお話しします。

『第4回:口腔がんの好発年齢と性差』

口腔がんは他のがんと同じく高齢者に好発します。
特に、60歳以降の男性に多いと言われています。

1980年代頃(筆者が学生だった頃)の教科書では、中高年以降の男性に多く、
男女比は約3:1であると書かれていました。

口腔がんの要因が食生活、酒とタバコの習慣、口腔環境の劣化そしてストレス
などが挙げられ、男性に多い理由と考えられていました。

30年以上が経過し、社会は西洋化し、口腔がんの様子も大きく変化してきています。

最近の報告では、女性の罹患者数が増え、男女比は1.6:1とする報告を多くみられます。

また、若年者の罹患者も散見され、以前では考えられなかった17歳の女子の症例報告
もあり、愕然とします。

過去25年間を5年毎に区切り40歳以下の罹患者の比率を比較した報告では、
明らかに増加傾向にあり、若年化していることが判明しました。

米国の口腔がん予防のポスター
国の口腔がん予防のポスター

米国の口腔がん予防のポスターでは、『非喫煙者、女性、若いヒトも気をつけよう』と訴えています。

患者さんの口腔内に疑問を感じたら、すぐにオーラルナビシステムでご連絡ください。

口腔がん検診『オーラルナビシステム』登録申し込み(無料)

「知ってトクするコラム」

『第3回:「口腔がんは、なぜ起きるの?」』

「知ってトクするコラム」

『第3回:「口腔がんは、なぜ起きるの?」』

このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を
順次行っていきます。

時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。

さて、第3回は、以下のことをお話しします。

『第3回:口腔がんは、なぜ起きるの?』

一般的に、がんは、

・食生活
・生活習慣(酒とタバコ)
・ウイルス

口腔がんは、なぜ起きるの?

の3つのどれかが引き金となって遺伝子に異常が起こり、がん細胞が発生する
と言われています。

一方、口腔がんでは、ウイルス性の発がんは、
10%以下(ヒトパピローマウイルスHPV)で少なく、さらに慢性的な刺激や傷が
病因として大きく関わります。

食生活や生活習慣によって劣化した口腔粘膜に、慢性的な刺激や傷ができると、
直下の上皮細胞は分裂を繰り返し、創傷治癒が行われます。

異常な細胞はこの分裂するときに発生するので、分裂回数の多いほど
癌化の確立は高くなります。

そのため不適合な補綴物、歯列不正、咬傷、習癖などは要注意となる訳です。

しかし誤解しないでください、傷=癌化ではありません。

ヒトには組織修復や異物除去などの機構や、がん細胞を取り締まる免疫機能なども
ありますので、簡単にはがん化しません。

患者年齢や後天的な免疫低下(臓器不全や薬剤性など)によって、
度重なる分裂現象にONとOFFの不適合が起こり発生すると考えられています。


患者さんの口腔内に疑問を感じたら、すぐにオーラルナビシステムでご連絡ください。

口腔がん検診『オーラルナビシステム』登録申し込み(無料)

「知ってトクするコラム」

専門医からの知ってトクするコラム 一覧

『第2回:「口腔がん」と「口腔癌」の違いは?』

「知ってトクするコラム」

『第2回:「口腔がん」と「口腔癌」の違いは?』

このパートでは、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を順次行っていきます。

時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。

さて、第2回は、以下のことをお話しします。

『第2回:「口腔がん」と「口腔癌」の違いは?』

悪性腫瘍にはいろいろな種類があります。

腫瘍は、本来の組織細胞が何らかの原因によって性格を変え、自律的、非可逆的に過剰増殖した病態です。

元の組織細胞の存在位置によって、大きく3つに分類することができます。
すなわち、上皮系、非上皮系そして血液系です。

上皮には、外気や液体にさらされている被覆面と結合組織に接着する基底面があり、口腔粘膜では約0.5μmの重層扁平上皮によって脈管神経、脂肪、骨などの結合織(非上皮)を被覆しています。

上皮系から発生した悪性腫瘍を「癌」、非上皮系は「肉腫」、そして、血液系は白血病や悪性リンパ腫などと呼称されて、口腔内にて発症します。

例えば、口腔に発症した上皮系悪性腫瘍ならば扁平上皮癌、非上皮系ならば血管肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫などが挙げられます。

厳密には「がん」と表記した場合、上皮系+非上皮系+血液系のすべてを表し、「癌」の場合は上皮系のみを指すことになります。

口腔がんでは扁平上皮癌が全体の90%以上を占める
口腔がんでは扁平上皮癌が全体の90%以上を占める

しかし、口腔がんでは扁平上皮癌が全体の90%以上を占めているので、「口腔がん」と「口腔癌」は同義語(広義)として区別なく扱われることが多くなっています。

カタカナの「ガン」には特別な意味はありません。


患者さんの口腔内に疑問を感じたら、すぐにオーラルナビシステムでご連絡ください。

口腔がん検診『オーラルナビシステム』登録申し込み(無料)

「知ってトクするコラム」

『第1回:忍び寄るサイレントキラー』

「知ってトクするコラム」

『第1回:忍び寄るサイレントキラー』

今回から、口腔がんについて、疫学、病理、治療、そして予防の解説を順次行っていきます。

時折、最新の耳寄り情報も加えますので、知ってトクするコラムとなります。
ご覧の皆様が『口腔がん通』になること請け合いです、ご期待ください。

さて、先ず第1回は、口腔がんの数からお話します。

『第1回:忍び寄るサイレントキラー』

世界的な傾向でもあるように、日本の口腔がんは増加の一途を辿っています。

国立がん研究センターがん対策情報センターの発表からも明らかなように、患者数は30年前と比較すると「約3倍以上」になりました。

日本の口腔・咽頭がんの羅患者の推移
日本の口腔・咽頭がんの羅患者の推移

表記では『口腔・咽頭がん』の統計となっていますが、約5~6割以上は、口腔がんが占めていることから、『口腔がん』の実態と言っても決して過言ではありません。

現在では、国民10万人に対して、6~8名以上の発症率となりますが、日本の胃がん、肺がんなど28種のがんの中で12番目の発症率、そして、予後の順番では20番目という治りにくいがんになります。

日本の口腔がんは増加傾向にあり、予後の悪いサイレントキラーとして、私たちに忍び寄っています。

患者さんの口腔内に疑問を感じたら、すぐにオーラルナビシステムでご連絡ください。

口腔がん検診『オーラルナビシステム』登録申し込み(無料)

「知ってトクするコラム」